Web写真展 2020  

テーマ 「絶滅が危惧されるチョウ」  

 ヤマキチョウの飛翔     撮影:鶴藤俊和    

秋の気配漂う草地を休眠明けのヤマキチョウが舞う。
今年はコロナ禍もあって行けなかったが、来年はもう一度この姿を見てみたい。
撮影場所:山梨県 8月

ミヤマシロチョウの交尾と求愛 撮影:田中和良

ミヤマシロチョウは地元の保護団体や保全協会の尽力によって2020年は数多くの発生が確認された。撮影当日は複数の交尾個体がいて、そこにオスが求愛に来た。
撮影場所:長野県 7月

雨とシロオビヒカゲ   撮影:北岡茂基    

念願のシロオビヒカゲに出会えました。雨音が聞こえてきそうでしょ?
撮影場所:沖縄県 3月

ツマグロキチョウの吸水     撮影:佐々和照

大阪府では絶滅したのではとも言われたツマグロキチョウです。
拡散時期の秋や正月早々、情報を頼りに探蝶するものの空振り続きで、やっと出会えたのは2016年10月10日でした。さらに運よく小さな池のほとりで吸水場面に出会い、息をもこらえて腹部から水滴が排出される瞬間を撮った写真です。
撮影場所:大阪府 10月 

アズチグモに捕らわれたウラナミジャノメ     撮影:松井慶夫    

美しいオミナエシの花に潜んでいたアズチグモに捕まったウラナミジャノメ。
この後無事脱出して飛び去りました。撮影時はクモに気付いていませんでしたが、帰宅してパソコンで見て、クモを見つけて驚きました。1週間後再訪した時には、アズチグモは見つかりませんでした。 
撮影場所:愛知県 9月

白樺に翅映えて キマダラモドキ  撮影:宮下耕一

キマダラモドキの翅を形容する言葉って何だろう? 独特の幾何学模様は古風でもあり現代風でもある。なんて考えながら白樺林を歩いていると、メスが幹にピタッと止まった。
翅の魅力が言葉を越えてしまっている事に気付かされた。 
撮影場所:長野県 8月

黄蝶二種四様  撮影:高崎 明    

写真中央、二頭のツマグロキチョウは、関東地方では栃木県の一部を除くと個体数が少なく絶滅が危惧されるチョウです。この秋型は、裏翅は淡い地色に複数の黒い線が入り、対して表翅は黄色と黒色の模様が鮮やかで、意匠的にも素敵です。また秋型は、成虫で越冬します。写真両端のキタキチョウは、関東地方各地に生息しています。個体数が多いので、地味なイメージのチョウです。但し、雄の表翅の黄色の輝きは素晴らしく、その美しさはツマグロキチョウに遜色ありません。秋型は同じく成虫越冬するものの、私の節穴のような眼では探すのは難しいです。
撮影場所:長野県 5月

青く光るクロシジミのオス   撮影:渡邊通人

個体数は少ないが時々クロシジミが観察される里山で、今年はオスが2頭で追いかけているのが見られ、ひょっとして近くへ止まるかと期待して近づいたら、タイミング良く止まって翅を広げてくれた。ススキの上だったので下から見る格好となってしまったが、後にも先にも近くに止まったのは、この日のこの一瞬だけだった。
カメラはOlympus OMD-EM1MarkⅡ、レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm 1:4 IS PROを主に使っているが、デジタルテレコン機能と合わせて35mm換算で400mm相当まで望遠がきくので、ほとんどこの組み合わせで撮影出来るのが有難い。特にオリンパスは青がきれいに出るのも、好んで使っている理由でもある。  
撮影場所:山梨県 7月

クモマツマキチョウカップル飛翔 撮影:林清弘 

いつもは多くの愛好家が楽しんでいるポイントですが、今年はコロナ禍で少なく、2~3人がチョウにレンズを向けていました。
念願の食草ミヤマハタザオでの吸蜜を撮りたくて待っていましたら、カップルが撮れてラッキーでした。
撮影場所:長野県 5月

センダングサで吸蜜する             ヒメイチモンジセセリ    撮影:近藤和生

センダングサが咲く林道脇を、蜜を吸いながらせわしなく飛んでいました。小さいので、見失わないように目を凝らして追って行きながら撮影しました。
他にはユウレイセセリ、チャバネセセリ、クロボシセセリなどのセセリ類が多く飛んでいましたが、イチモンジセセリは見かけませんでした。 
撮影場所:沖縄県 10月

結ばれた「コヒョウモンモドキ」 撮影:成沢和昭 

アサギマダラの姿を写そうと、夏の高原に出かけました。
そこで吸蜜する「コヒョウモンモドキ」の姿がありました。
数日後、交尾の姿が.... 雌雄が一つに写せるとは、ラッキーでした。
撮影場所:長野県

長月をミヤマシジミとコマツナギ  撮影:菊地徹

朝5時ごろ現地に到着すると、草むらではまだオオチャバネセセリが休んでいました。日が当たり始めるとどこからともなくジャノメチョウやシジミチョウの仲間が舞い始め、お目当てのミヤマシジミに会うことができました。
今年は新型コロナであまり遠出ができなかったので、4年前の写真になります。次回撮影に行ける時まで、環境が変わらずにチョウたちが元気でいてくれることを祈ります。
撮影場所:長野県 9月

 やっと撮れたクモマツマキチョウ 撮影:松本悟    

前年は姿を見かけただけで終わりだったが、今回は待っていたスミレにお食事に来てくれて、すぐ近くで撮影することが叶った。鮮やかなオレンジ色に感動して、翌日も同じポイントへ同じ時間帯に行ったのだったが、期待は裏切られて空振りに終わった。
撮影場所:長野県 5月

 カバシタムクゲエダシャクの交尾 撮影:西嶋信夫

フユシャク超レア種(絶滅危惧IA類)で、野生雄は高速飛翔の為単独撮影困難種です。
蛾友飼育処女雌フェロモンで野生雄をおびき寄せての交尾シーンを自然に近い状態で撮影させて頂きました。
撮影場所:栃木県 3月

孤高のクロシジミ     撮影:猪越俊久 

このチョウに初めて出会ったのは、父の生家(群馬)へ遊びに行った時である。
家の裏にあるクヌギ林に行くと其処ここに黒いチョウが翔んでいて、後にクロシジミと知った。半世紀前の光景である。
現在では絶滅に近い種に分類されているのは、人による環境破壊によるところも大きいが、蟻に生涯の一時期を頼る特殊な生態によるところも大きい。
そのようなチョウが、目立つと思われる白い花の中で一生懸命吸蜜をしている。無事に世代が繋がることを祈らずにはいられない。
撮影場所:長野県 7月

シルビアシジミの名に想う   撮影:益永葉 

鬼怒川の河原で保護されながら健気に種の命脈を保っているこのシジミチョウの最初の発見は明治時代。外国人教師フェントンによって命名記録されたにもかかわらず、その後忘れられ、戦後になってから、チョウ研究の第一人者、中原和郎博士の夭折した愛娘シルビアちゃんの名を付された蝶と同一のものと判明。チョウをめぐるロマンあふれる話を詳細に調査した中村和夫氏の著作「シルビア物語」を読んで、このチョウへの想いを深めた。
撮影場所:栃木県 10月

今年も出逢えたクロヒカゲモドキ  撮影:三輪成雄

主な棲息地である里山の雑木林と共に減少の傾向にあるクロヒカゲモドキ。
梅雨空のなか、今年も出逢えた。
地味なチョウだが、前翅裏面の3つ以上の眼状紋を見ると私の胸は大いにときめく。
撮影場所:大阪府 7月

交尾中のミヤマモンキチョウ 撮影:久保田文雄

ミヤマモンキチョウは本州の1,700m以上の高山植生帯に生息している。
7月中旬を過ぎると多くの撮影者が浅間山系の林道に集まる。
この日はあまり良い画像も撮れないまま日は傾き、撮影者はほとんど帰ってしまったので私も帰ろうと歩き初めた。そのとき、林道の直ぐ脇の数十cm下の岩陰に、ミヤマモンキチョウが交尾をしてるのを見つけた。手を伸ばして、モニターも見られずに何回も何回もシャッターを切った。
撮影場所:群馬県 7月

アポイアズマギクで吸蜜する           ヒメチャマダラセセリ    撮影:中村康弘

初めてヒメチャマダラセセリと会ったのが2011年。1時間ほど登ると、カンラン岩によって生まれた高山植生が現れる。とても小さく、最初はなかなか見つからなかったが、慣れるとアポイアズマギクで吸蜜する個体や地面で吸水している個体を観察できた。
その後、毎年、生息状況のモニタリング調査を続けているが、急激に減少し、もっとも絶滅の危機にあるチョウとなってしまった。重点的な保全を実施し、個体数を回復させていきたい。
撮影場所:北海道 5月

ギフチョウ      撮影:永幡嘉之

太陽光発電の計画に揺れる林の片隅で、午後の陽ざしを受けて、ヒメギフチョウとともに産卵に訪れた。葉の右側には、前日に別の個体が産んでいった卵も見える。
撮影場所:山形県 5月

テーマ 「花とチョウ」  

待ちわびた季節     撮影:岡本雅昭

ゴールデンウィーク頃、ようやく訪れた北国の遅い春。
カタクリやエゾエンゴサクが林床一面に咲き乱れ、静かに春の女神たちが舞う。
ヒメギフチョウの舞を合図に、北の国は一気に季節を進めていく。
撮影場所:北海道 4月

ミヤマカラスアゲハの輝き   撮影:佐藤伸一

ヤマツツジに吸蜜に来たミヤマカラスアゲハの吸蜜後の飛び立ちをプロキャプチャーモード(オリンパス社モード)で撮影した。翅を広げ、輝いた翅表がきれいに写った。
撮影場所:群馬県 5月

気付かれないことの幸せ   撮影:工藤 翼

家族連れの多い公園で出会ったカバイロシジミです。
虫取り網を持っている子供もたくさんいましたが、小さなチョウにはそれほど危険はないようです。
撮影場所:北海道 6月

アヤメの花で吸蜜するミヤマチャバネセセリ    撮影:安中弘行

ミヤマチャバネセセリは、最近はかなり限られた場所でしか見られないようで、私は関西では全く出会っていません。5年前に初めて撮影した富士山麓を再訪し、ほぼ同じ場所、同じアヤメの花で吸蜜する姿に出会うことができて、感激しました。
撮影場所:山梨県 8月

つつじ&オナガアゲハ    撮影:向川靖彦

5月の里山に、オオムラサキツツジが赤い彩を添えていた。カメラを向けていると、
目の前にオナガアゲハのオスが!
春型とはいえ、大輪の花を背景にして、矢鱈と小さく見えた。
撮影場所:長野県 5月

フジバカマとアサギマダラ   撮影:足立幸子

今年、我が街に出来た「フジバカマ園」にて撮影。
青空に舞うアサギマダラをフィッシュアイで初挑戦しました。
撮影場所:愛知県 10月

ミヤマカラスアゲハとクリンソウ 撮影:浅見哲司

オスに引けを取らないくらいミヤマカラスアゲハのメスは美しい。一方で、いざ撮影しようと思ってもチャンスはなかなか訪れないのである。このショットは昨年撮影したもので、クリンソウの撮影をしていたら思いがけず吸蜜に訪れたものである。
味をしめ今年は同地に何回か通ってみたが、クリンソウは美しく咲くもののミヤマカラスアゲハは一度も見ることは無かった。
2匹目のドジョウはなかなか現れてくれないようである。
撮影場所:京都府 5月

アヤメのベッドで一休みの            ヒメキマダラセセリ     撮影:福島孝好

乙女高原は、小楢山の登山口の焼山峠から歩いて30分ほどにある標高1,700mの美しい高原です。夏にはアサギマダラ、クジャクチョウ、ヒョウモンチョウ類が花々の中を飛び回っています。今年訪れた時にはまだ花もチョウも少なかったのですが、草原を散策中に、アヤメの花びらをまるでベッドのようにして休んでいるヒメキマダラセセリに出会いました。
セセリチョウ類はずんぐりむっくりの体型から、概して美しいチョウというイメージからはやや離れた感じはありますが、ファインダー越しに大きな愛くるしい目で見つめられると、ついついシャッターを押してしまいます。
撮影場所:山梨県 6月

ナガサキアゲハと彼岸花   撮影:鈴木英夫

庭のチョウではなく、道端のチョウです。彼岸花にナガサキアゲハが訪れていました。
撮影場所:東京都 10月

大待宵草とキアゲハ   撮影:山下惠太郎

生駒山のハイキングコースでキアゲハ3頭の交尾(?)に初めて遭遇し、慌ててシャッターを切りました。花びらにぶら下がっている力持ちがオスでしょうか?
撮影場所:奈良県 8月

煌めく彼岸花とナガサキアゲハ  撮影:二階堂史朗

高尾近郊の小川、9月末に彼岸花が満開になりました。彼岸花が咲くバックの川面が、キラキラ輝いて玉ボケになっています。
ここへ黒系アゲハが来ないものかと暫く待つと、ナガサキアゲハが一番高い彼岸花の上で翅をいっぱいに開いた姿をみせてくれました。
近年高尾近郊でナガサキアゲハに出会うことが多くなり、温暖化が目に見えるようになりました。
撮影場所:東京都 9月

花衣(はなごろも)   撮影:小笠原和博 

春先にヒメギフチョウの撮影をすることが恒例となっています。時にはスギタニルリシジミやコツバメなどにも出会えて楽しいです。たまたま、カタクリの花に隠れるようにしているスギタニルリシジミを撮影することができました。
撮影場所:山形県 4月

テーマ 「身近なチョウ」  

求愛:ルリシジミ   撮影:野口雄右 

フキノトウの花で吸蜜していたルリシジミ。メスの撮影中、突然オスが現れ求愛行動。
偶然にも雌雄開翅のシーンが撮れました。
撮影場所:東京都 3月

暮れゆく秋-ヤマトシジミ-  撮影:伊勢利希 

秋も深まる頃、人家脇の空き地や公園の日向ではヤマトシジミやベニシジミが元気に飛び回っています。夕方には、産卵や吸蜜をしていたヤマトシジミたちは三々五々、高く伸びた草の葉や穂に止まって一日の活動を終えます。傾いた秋の日差しを浴びて、穂先で夜露を凌ごうとする彼らの体毛が金色に輝いていました。
撮影場所:宮城県 10月

アレチハナガサに飛来するキタキチョウ    
         撮影:松村隆太郎

7月初旬の多摩川。河川敷には紫色のアレチハナガサがあちこちで小さな花を咲かせています。南米原産の外来植物ですがチョウたちには好まれていて、いろいろなチョウが次々と飛来します。そのなかでも特に目を引いたのがキタキチョウ。多摩川の水面を背景としてその黄色は鮮烈でした。
撮影場所:神奈川県 7月

青空にキアゲハの舞う春  撮影:春山裕史

桜と菜の花と青空をバックに春のチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミを撮りに利根川近くの公園に行き、青空を見上げるとキアゲハのオスとメスが絡んで飛んでいるのに会いました
撮影場所:茨城県 4月

大和の夏      撮影:林太郎

もっとも身近なシジミチョウ、ヤマトシジミ。稲の緑葉にとまる小さくてたくましい姿。
その懸命に生きる姿に感動します。
撮影場所:奈良県 8月

ウラギンスジヒョウモンがやってきた 撮影:村上和優

2020年の7月、我が家の庭にウラギンスジヒョウモンがやってきました。
最近は野外で見かける機会がないですが、数日にわたって滞在してくれました。
毎年やって来ているので発生地が近くにあるようです。
撮影場所:新潟県 7月

我が家のゴマちゃん   撮影:河野潤  

庭のダイコンの花に羽化したてのゴマシジミがとまっていました。2020年の観察では蛹の在り処は未確認ですが、庭のハラクシケアリ巣内にいる終齢幼虫は確認済です。ゴマちゃん、末永くお幸せに?!なお撮影者が所属する北広島森の倶楽部では、国立環境研究所坂本洋典博士のご指導の下、ゴマシジミ保全の取り組みを行っています。
撮影場所:北海道 8月 

赤に黄       撮影:宮川直遠

多摩川の土手を散歩中、盛りの彼岸花にキアゲハが。
撮影場所:神奈川県 10月

ミドリの闘い    撮影:村上奏太

毎年6月終わりになると、山ではアイノミドリシジミが発生します。キラキラ輝く卍飛翔を撮影しようと毎年チャレンジしますが、なかなかうまくいきません。かなりの枚数連写して撮影できた写真はとてもきれいで、思った位置に収まってくれました。
撮影場所:新潟県 6月

庭のヨメナにきたイシガケチョウ  撮影:渋谷一明

11月5日、今年26種目のチョウが庭にきました。昨年を一種上回りました。
嬉しいチョウです。
撮影場所:福岡県 11月

キタキチョウの交尾   撮影:松下省三郎

自宅の周辺にはネムノキの大木が数本あり、その種子が落ち若木が自然繁殖しています。この葉っぱにキタキチョウが卵を産み付け、幼虫⇨蛹⇨羽化していきます。一本の若木から5~7匹程の羽化がみられることがあります。越冬したキタキチョウは新緑の頃から夏にかけて、またネムノキで育ち、この周辺で交尾します。その交尾をカメラで捉えることができた一枚です。交尾中のキタキチョウの表情が何とも言えません。
撮影場所:静岡県 6月

風に舞うジャコウアゲハ  撮影:永井信

通いなれた丘陵の草原に、秋の気配とともにジャコウアゲハが飛び出した。
風が運んだ、鳥の声、木々のざわめき、草々の香りの中に、その先にある未来を想わずにいられない。
常に開発と隣り合わせにあるこの草原が、いつの日も、さわやかにチョウの舞う聖地であってほしいと。
撮影場所:埼玉県 9月

自由テーマ  

クロコムラサキの幻光   撮影:左合直

ヤナギの幹に撒いたトラップに来た1化目の新鮮なクロコムラサキ。
少し気温が低いせいか、薄日の当たる場所まで降りてしばらく開翅した。
角度やタイミングが微妙で撮影難度の高い幻光だが、完璧な発色で、しかも4翅全面に捉えることができた。

撮影場所:石川県 6月

ウラギンシジミの集団越冬  撮影:吉埜孝広

ほとんどは単独で越冬すると思うのですが、この時は4頭が等間隔に並んでいたのでビックリでした。近所の公園での撮影です。
撮影場所:神奈川県 11月

色鮮やかなウラナミアカシジミの開翅    
              撮影:板野隆

雨上がりの暗い林床を歩いていると、ほんの一瞬、鮮やかなオレンジ色が輝くのが見えました。飛翔以外では滅多に翅を開かないウラナミアカシジミ。ところが、なぜかこの個体は数十秒間隔でパッと一瞬だけ翅を開くことを繰り返していました。この千載一遇のチャンスを逃すまいとタイミングを見計らってひたすら連射した結果、何枚か翅表を写しとめることができました。
撮影場所:大阪府 6月

迷蝶?リュウキュウムラサキ  撮影:小川行則

遠目で見た時、ルリタテハかと思い近づいたところ、リュウキュウムラサキでした。衝撃的な出会いでした。東京、神奈川ではナガサキアゲハ、クロコノマチョウ、ツマグロヒョウモン、ムラサキツバメなど、北へ生息域を広げているチョウも多々います。数十年前、新聞に報道されていた迷蝶に心を踊らされていたことを思い出しました。

撮影場所:神奈川県 8月

ウラミスジシジミの蛹化前の幼虫  撮影:高澤晋介

15時26分撮影。蛹化前で、黄緑色から深緑色になった幼虫は、蛹化場所に適した食樹のクヌギの樹皮に潜り込もうとする。お気に入りの場所が見付かるまで、何度も繰り返していた。これだから蛹の発見難易度は高い。10年定点観察を続けて、蛹を見つけたのは2回だけだ。
撮影場所:栃木県 5月

梓川沿いのアルプスモンキ     撮影:坪内美加

本州の高山蝶であるミヤマモンキチョウは、浅間山系と北アルプスに生息し、北アルプス産は「アルプスモンキ」と呼ばれ、会うための登山は大変苦労するらしい。2020年7月上旬、なかなか梅雨が明けぬ上、記録的な豪雨のため、上高地の国道158号線の3ヵ所で土砂崩れが起こり、宿泊施設等が孤立状態となった。その10日後、予定していた宿泊が叶い、宿の目の前の梓川沿いでの朝の散歩で「アルプスモンキ」に出会えたのは、まさに『奇跡』だったらしく、多くの蝶友を驚かせた。
撮影場所:長野県 7月

写真じゃないです本物です。   撮影:工藤真 

工作する子供の写真に興味津々なオオムラサキ君。いい匂いがするのかな? 自らポスターに止まって「オオムラサキセンター」をアピールしていました。(二次元だと分かりづらいですが、オオムラサキセンターのポスターにオオムラサキが止まっています。)
撮影場所:山梨県 7月

トラフシジミ・春型のブルー  撮影:永田正人 

トラフシジミの表翅は鮮やかなメタリック・ブルー。春型は夏型より明るいブルーだ。
足元の蕗の葉の上で開翅した。
撮影場所:東京都 3月

電車ごっこ      撮影:服部裕子

毎年、我が家の柚子の木で生まれるアゲハの子供たち。柚子の木が若いので、子供たちが蛹になるために姿を消すころには、木はいつも丸坊主になっている。今年は特にアゲハの飛来が多く、ミカン、ポンカン、サンショウの苗木を買い足したが、やっぱりすべて丸坊主にされた。いくら見ていても飽きないかわいい子たちである。
撮影場所:茨城県 5月

チョウにあるまじき行状2020年6月7日
  於 岐阜県本巣市   撮影:井上 A.尚

ニホンジカ幼体の死体に集まったチョウは、左上から時計回りにミスジチョウ♂、モンシロチョウ♂、テングチョウ♂、スミナガシ♂、ミヤマカラスアゲハ♂、ヒオドシチョウ♂、ゴマダラチョウ♀。中央はゴマダラチョウ♂です。
撮影場所:岐阜県 6月

クマダラソテツシジミ    撮影:後藤仁

今年大発生のクロマダラソテツシジミ。房総袖ヶ浦海岸に植栽されているソテツではたくさんの幼虫や成虫が観察された。交尾中のペアを東京湾アクアラインをバックに撮影した。
撮影場所:千葉県 10月

樹液に惹かれるオオイチモンジのメス 撮影:新海正也

メスの産卵が見られるドロノキとその周辺のヤナギでは、長梅雨が影響したのか例年よりも樹液が多く出ているようでした。樹液酒場はオオイチモンジの雌雄、ヒメキマダラヒカゲ、クジャクチョウで大賑わいで、初めて見る光景に興奮しました。
撮影場所:長野県 7月

チョウなのに肉食のゴイシシジミ 撮影:吉野喜美子

ゴイシシジミ、初めて会いました。なんとこのチョウは幼虫がタケ類に付くアブラムシを食べて育つ、日本で唯一のチョウとのこと。モフモフの足と大きめのドット柄がとってもキュートです。
撮影場所:長野県 7月 

高尾山で舞うオオムラサキ   撮影:粕谷和夫

高尾山1号路、ケーブルカー高尾山駅の東側の展望所で、目の前を2頭のオオムラサキが舞ってくれた。素早い飛翔であったが、1頭が苔むした幹に止まってくれた。
撮影場所:東京都 8月 

シジミチョウ達が編んだレース模様 撮影:佐々木幹夫

シジミチョウの卵は拡大してみると、とても複雑な模様が観察できます。1mmに満たない卵の表面に、まるでミクロの彫刻師が卵の上に舞い降りて彫ったのか?と錯覚してしまう位、精緻な構造です。ヒメシジミ族の卵はいずれもレース模様のような綺麗な網目構造が特徴です。別種でありながら、どうしてこんなに似ているのだろう・・・と驚いてしまいます。通常のマクロレンズでは撮影が困難なため、特殊なレンズ系を用い、数十枚ピントをずらして撮影し、コンピューター上で合成して、微構造を明らかにしました。
撮影場所:神奈川県ほか 9-11月

密です!(ジャコウアゲハの幼虫) 撮影:井上晴子

庭にジャコウアゲハが来てくれたらいいなーと植えたウマノスズクサとオオバウマノスズクサに、今年は数頭のメスが、毎日卵を産みに来ました。そして、たくさんの幼虫が生まれました。幼虫たちはすくすくと育ち、密状態に!!仲良く茎を食べているところに私のカメラが近づくと、3匹同時に風船のようなツノを出し、かぐわしい香りが漂いました。こんな密状態が、少し羨ましく思えた私です。しばらくして、庭にジャコウアゲハが優雅に舞っている風景も見られました。
撮影場所:神奈川県 8月

ウラクロシジミの一休み  撮影:橋爪善博

大きな渓谷の彼方に太陽の光を受けて真珠色に輝く斑点がチラチラと舞っていた。その一つが突然目の前に飛び込むと下藪に隠れた。ウラクロシジミのオスだった。翅摺りで時折垣間見せる翅表が青白く輝いていた。占有行動時間である夕刻には激しく飛廻るだけのこの蝶が、ゆったりと佇んでいる姿を眼前で観ることができたのは、初夏昼前の嬉しいひとときであった。
撮影場所:滋賀県 6月

美しいアサギマダラの蛹  撮影:中村実生雄

渡りをする蝶として有名なアサギマダラは、秋に東京郊外で産卵する場合があるので、卵や幼虫の観察は割合容易にできる。とはいえ、蛹の観察となるとなかなか難しく、毎年食草をチェックして歩くが、まだ1回しか見たことがない。何度も見に行ったこの蛹は、2日後の昼に行くと既に羽化していた。
撮影場所:東京都 10月

アカボシゴマダラ黒化型「この指とまれ」
              撮影:神谷孝信

主にチョウを指に留めて、背景を考慮して移動して撮った写真を「この指とまれ」写真と称して撮っている者です。自宅近くの公園で、見慣れないチョウを見つけ、指に留め、お気に入りの日本庭園にまで移動して、撮ったものです。 撮影後アカボシゴマダラの黒化型と判明した為、珍しい記念写真として宝物にしている写真の一枚です。
撮影場所:千葉県 8月

メスアカミドリシジミ  撮影:大瀧啓樹

かなり雨足が強くなってしまい厳しい状況の中でしたが、なんと予想外のメスアカミドリシジミのオスに出会いました。低い所にやってきて翅の輝きを見ることができて嬉しかったです。

撮影場所:青森県 6月